『社長のリスキリング!』 …従業員ではなく、社長自身のリスキリングを!
リスキリングとは、「技術革新やビジネスモデルの変化に対応
するために、新しい知識やスキルを学ぶこと」です。
2020年のダボス会議において、「リスキリング革命(Reskilling
Revolution)」が発表されたことをきっかけに、話題になって
います。
また、第210回臨時国会における岸田内閣総理大臣所信表明演
説(2022/10/03)では、『…リスキリング、すなわち、成長
分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の
職能給から、日本に合った職務給への移行など、企業間、産業
間での労働移動円滑化に向けた指針を、来年六月までに取りま
とめます。特に、個人のリスキリングに対する公的支援につい
ては、人への投資策を、「五年間で一兆円」のパッケージに拡
充します。…』と述べておられます。
親は子供に学びを求めます。同様に、社長も従業員の成長のた
めの学びを否定する人は少ないはずです。ただ、本当に学びが
必要なのは社長ご自身ではないでしょうか。中小企業経営者の
学びに対する姿勢は様々です。数十%の社長は積極的に学びを
続ける一方、大多数の社長は学びとは縁遠い状況です。
中小企業の社長こそ、リスキリングは重要な課題です。現代の
ビジネス環境は急速に変化し、技術の進歩や市場のグローバル
化などの要因により、企業経営には新たなスキルや知識が求め
られます。以下では、中小企業の社長がリスキリングを行う必
要性について解説します。
◆1.変化するビジネス環境
技術の進歩とデジタル化により、ビジネス環境は大きく変化し
ています。新たなテクノロジーやオンラインプラットフォーム
の出現により、ビジネスのやり方や顧客の行動パターンが変わ
りました。社長は、これらの変化に適応するために、デジタル
マーケティング、eコマース、データ分析などのスキルを習得
する必要があります。
◆2.グローバル競争
インターネットの普及と物流の発展により、中小企業もグロー
バルな市場で競争する必要があります。海外市場への進出や外
国との取引においては、異文化コミュニケーションや国際ビジ
ネスの知識が必要です。社長は、国際的な視点やグローバルビ
ジネスのスキルを習得することで、新たな市場への参入や競争
力の強化が可能となります。
◆3.リーダーシップと組織の変革
中小企業の社長は、リーダーシップの重要性を認識しています。
しかし、ビジネス環境の変化に伴い、従来のリーダーシップス
タイルや組織のあり方に対しても変革が必要です。新たなリー
ダーシップのスキルや組織変革の手法を習得することで、組織
の柔軟性やイノベーション力を高めることができます。
◆4.労働力の多様性とマネジメント
近年、多様なバックグラウンドや世代が混在する労働力が求め
られています。社長は、異なる世代や文化を持つ従業員を効果
的に統合し、育成するスキルが求められます。ダイバーシティ
マネジメントやコミュニケーションのスキルを習得することで、
従業員のモチベーションと生産性を向上させることができます。
◆5.企業の成長と継続性
中小企業の社長は、企業の成長と継続性を担保する責任を持っ
ています。リスキリングにより、社長は新たなビジネスチャン
スを見つけ、事業を成長させることができます。新しいスキル
や知識を習得することで、市場の変化や競争の激化に柔軟に対
応し、企業の持続的な成功を実現することができます。
中小企業の社長がリスキリングを行うことで、企業はより競争
力を高め、成長の機会を活かすことができます。リスキリング
には、自己学習や継続的な教育、業界や専門家とのネットワー
キングなどが含まれます。社長自身が積極的な学習意欲を持ち、
自己啓発に取り組むことが重要です。また、従業員のスキル開
発やチームの育成にもリスキリングの取り組みを広げることで、
組織全体の競争力を向上させることができます。リスキリング
は中小企業の成長と持続的な成功のために不可欠な要素です。
社長は、自身の子供や従業員に対してだけではなく、ご自身の
リスキリングに励むべきではないでしょうか。
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昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。