『苦労する事業ではなく楽な事業を選択するために!』 …成長期初期に自社事業を置き換える!
■自社の事業を成長期初期のステージに置き換えましょう。
成長性が高い事業は「楽な事業」です。ライフサイクルと事業
の成長性には大きな相関関係があります。故に、成長期初期の
ステージにある事業に取り組めばよいのですが、案外ライフサ
イクルに関する検証はおろそかにされています。一方、苦労す
る事業は成熟期後期から衰退期のステージにある事業です。ま
た、導入期も総じて大変厳しい経営を強いられます。
◆戦後の高度成長期と呼ばれた時代、日本企業のほとんどは成
長期のステージにありました。人口がどんどん増えるなか、様
々な困りごとを解決するサービスが開発され、物を作れば売れ
る、インフラを整備したら使われる時代が続きました。日本の
企業は総じて楽な経営ができる環境にあったと言っても間違え
ではないはずです。
◆令和の今、日本企業の70%は成熟期~衰退期のステージでの
経営を強いられています。同じ頑張りを続けていても、毎年業
績が下がるのはこのためです。自社の事業を成長期初期のステ
ージに置き換えましょう。事業再構築の本質はここになります。
■ライフサイクルについてもう一度整理して確認してください。
ライフサイクルは、製品やサービスが市場で進化する過程を表
す概念です。この過程は、一般的に導入期、成長期、成熟期、
衰退期の4つの段階に分類されます。それぞれの段階の特徴に
ついて説明します。
(×)導入期…市場が未完成、ルールも未整備、案外難解
(◎)成長期…普通以上にやれば儲かって、成長する
(△)成熟期…市場が飽和、差別化か高シェア企業に利益が集中
(×)衰退期…市場が衰退、競争過多、稀に残り福あり
◆導入期は、新たな市場や製品が初めて登場する時期です。こ
の段階では、市場が未完成であり、ルールや規制も整備されて
いません。
さらに、新しい製品やサービスが市場に初めて導入されるため、
消費者からも理解されにくい状況です。競争もまだ少なく、市
場のポテンシャルは大きいですが、市場の開拓や普及には多く
の困難が伴います。
◆成長期は、製品やサービスが市場で急速に普及し、売上と利
益が拡大する時期です。市場の需要が高まり、製品の普及が進
むため、普通以上の取引を行えば儲かります。競争も増加し、
新たな参入者が市場に現れますが、成長の機会も多く存在しま
す。市場の拡大や顧客の獲得に注力することで、企業は成長を
実現することができます。
◆成熟期は、市場が飽和状態に達し、製品やサービスの差別化
が難しくなる時期です。競争が激化し、既存の企業や大手企業
が市場シェアを占め、利益が集中する傾向があります。市場の
成熟に伴い、価格競争が起こり、利益率が低下することもあり
ます。この段階では、企業は市場での競争力を維持するために、
品質の向上や新たな市場の開拓に取り組む必要があります。
◆衰退期は、市場が衰退し、競争が過多となる時期です。需要
が減少し、市場規模が縮小するため、競争は一層激化します。
一部の企業は淘汰され、市場から姿を消すことになります。し
かし、衰退期においてもまだ需要がある市場や一部の企業は、
競争を生き抜きながら存続し、稀に利益を上げることもありま
す。衰退期は企業にとって厳しい時期ですが、市場の変化やニ
ーズの再評価によるチャンスも存在します。
ライフサイクルの各段階は、市場や製品の成熟度に応じて異な
る特徴を持ちます。企業は、市場の状況や競争の激化に応じて
適切な戦略を選択し、各段階での成長や存続を図る必要があり
ます。しかしながら、成長期初期のステージに自社事業を充て
る…これに勝る良策はありません。貴社はどのステージで事業
を行っていますか?ご確認ください。
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昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。