『人事は、最適化、達観、人事制度、教育・訓練!』 …中小零細企業の人事政策(その2)
人が辞める、人が採れない、思うように人が動いてくれない…
経営者の人に対する悩みは尽きないはずです。ただ、自分自身
すら完全にコントロールできない人間が、他人を自分(自社)
の思い通りにすることなどそもそも不可能であることを認識し
なければなりません。
もっと優秀な人が欲しい、もっと頑張って欲しい…無いもの・
できないことを求めるのを止めることで、人に対する悩みは激
減するはずです。悲観論ではなく、現実論として受け入れるこ
とから始めてください。
この前提で、考え方を整理しながら、できることを順番に実施
する事しか他に方法はありません。
以下、人事の指針について24項目を掲げました。すべてに○
が付くように心がけてください。
■第1章:人事の基本!
1.すべての従業員に対して公正であるよう努めている。
2.従業員に対して愛と鞭を兼ね備えている。
3.従業員に対して威張っていない。
4.従業員に対して媚びていない。
■第2章:最適化(バランス)の検証!
5.【従業員の市場価値】と【会社が支払う給与】はバランス
している。
6.【会社が従業員に求める業務】と【会社が支払う給与】は
バランスしている。
7.【従業員の能力】と【その従業員に求める業務】はバラン
スしている。
8.よくできる人材を、薄給を承知で便利に使い続けていない。
9.道理を越えた高給を支払って雇用したり、慰留したりして
いない。
10.薄給で採用して高度な仕事を求めていない。
11.ただただ高給を訴求して人を採用しようとしていない。
■第3章:無いもの・できないことを求めない!
12.能力の低い人に、(精神論として)高度な仕事を任せよ
うとしていない。
13.薄給で優秀な人材を雇用しようとしていない。
14.分不相応な従業員を採用しようとしていない。
15.グレートカンパニーと普通の会社の違いを認識している。
■第4章:人事制度・業務分掌の整備!
16.会社の業務を整理・整頓している。
17.その業務に必要なスキルを有する従業員を求めている。
18.その業務の市場価値を計り、適正な給与を支払っている。
19.業務上必要なルールを整備することに努めている。
20.整備したルールは厳守してもらうよう徹底している。
21.ルールが守られない時は、注意喚起を徹底し、時に罰を
科している。放置していない。
■第5章:教育・訓練の実施!
22.新たな地位に対して、十分な訓練を受けさせずに、その
者を昇進させたりしていない。
23.現在の仕事に専念している者は昇進させず、代わりに昇
給させる、この選択肢を用意している。
24.昇進後であっても、不適格と判断すれば戻す措置(再教
育を含む)を講じている。
●最後に…
1.「人事は公正に」、容易ではありませんが経営者の努力目
標です。
2.良い会社になった時に、優秀な従業員が入社します。良い
従業員が集まるから良い会社になるのではありません。
3.「ルールを決めて厳守してもらう」、マネージメントの一
丁目一番地です。
4.「従業員に好かれようとしない。」(「心に一匹の鬼を忍
ばせる。〔稲盛和夫氏〕」)
5.人に対して無いものネダリをしない。
人事制度を整備する時には、人事に対する指針が必要です。指
針無き人事制度は機能しません。自社としてどうしたいのか?
百社百様のオリジナリティーも必要ですが、共通のセオリーも
存在します。
上記のチェック項目も参考にしていただいて、貴社オリジナル
な人事制度を構築してください。
貴社の人事制度構築の一助となれば幸いです。
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昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。