『重要な経営法則(その3)』 8.モデル企業のベンチマーク 9.経営におけるカラーバス効果 10.年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続ける (銀行融資プランナー協会)
…前回からのつづきです。
中小零細企業におけるその経営の良し悪しは、そのほぼ100%
が経営者一人の力量によって決まります。また、その力量の一
つは知見の有無です。知っているか知らないかです。(別次元
で行動力の有無等がありますが、別の章に譲ります。)
経営者として知っておくべき知見は星の数ほどありますが、ほ
んの一部を紹介します。
■モデル企業を探してベンチマークしてください。
世の中にはたくさんのヒントが既に存在しています。自社の目
指す先がオンリーワンであっても、自社の将来のモデルは形を
変えて既に存在します。現存する知恵を上手に活用することは、
我々に与えられた権利です。(※一方、他者の努力に報いるた
めの知的所有権を守る義務を厳守することを忘れてはいけませ
ん。これもルールです。)であるにも関わらず、世の中に現存
する知恵を学ぼうとする人はそれほど多くありません。大変も
ったいないことです。
会社のさらなる成長を望むなら、モデルとする企業を持ちまし
ょう。モデル企業とは、自社がなりたい姿に近い会社です。モ
デル企業を見つけて※ベンチマークしてください。
『※ベンチマーク( 英: benchmark) は、本来は測量におい
て利用する水準点を示す語。転じて金融、資産運用などや株式
投資における指標銘柄など、比較のために用いる指標を意味す
る。また、広く社会の物事のシステムのあり方や規範としての
水準や基準などを意味する。』(引用:ウィキペディアより)
■経営におけるカラーバス効果
「年がら年中、そのことばかりを考えていただけです。」
(アイザック・ニュートン氏)
『「カラーバス効果」とは心理学用語の一つです。カラーバス
は「色を浴びる」の意味です。意識していることほど関係する
情報が自分のところに舞い込んでくるようになるといったもの
です。例えば、「今日のラッキーカラーは赤」といわれると、
街でその色ばかりに目が行くなども、カラーバス効果です。』
(引用:ウィキペディア)
情報やヒントは相手を選んで降りてきます。幸運も不運も同じ
です。相手を選びます。求める量と質に応じて降りてくる、と
解説した方がわかり易いかも知れません。
○優良な情報を得る人は、そのような生き方をしています。
○優良な情報に恵まれない人は、そもそも情報を求めていない
のでしょう。
○幸運をたくさん手にする人は、そのような考え方をしていま
す。
○幸運を手にできない人は、幸運を避ける生き方をしているの
でしょう。
原因と結果、ここでも因果の法則が働きます。
■年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けること
をご提案します。 (銀行融資プランナー協会)
※有り余るほどの現預金がある会社様・社長様は除きます。
○年商5億円の社長様、追加で5,000万円の運転資金を持
ち続けませんか?
○年商2億円の社長様、追加で2,000万円の運転資金を持
ち続けませんか?
○年商5,000円の社長様、追加で500万円の運転資金を
持ち続けませんか?
◆年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けること
の長短を考えてみましょう。
○短所は…
・借入金利を2%とすると、経常利益が0.2%ダウンします。
・その他の短所は見つかりません。
借入れと合わせて現預金も増えます。実質の借入金額は増えま
せん。また、返済の原資はこの借入金です。借入れ前の資金か
ら返済するわけではありません。返済しながら現預金も減少し
ますが、その分借入残高も減少します。
○長所は…
・余裕資金を持つことで、資金繰りの苦労から解放されます。
・経営上の安全率が向上します。万が一に備えられます。
・投資などの必要な資金需要に素早く対応できます。
(投資に使ったら別途資金調達が必要になりますが、一刻を争
う時はこの資金を利用できるとの意味です。)
慢性的に資金繰り業務に追われておられる社長様は少なくあり
ません。この資金繰り業務を極小にして、本来の社長業務に専
念できます。
◆どうすれば、年商対比で今より10%多い現預金を持ち続け
ることができるのか?
業績の良い時に運転資金の借入れを最大限行ってください。約
定返済付きの運転資金は、返済が伴います。時間の経過に伴っ
て、現預金残高=借入金残高も自然に減少します。一定間隔で、
借り換え、巻き直しを継続して行います。
○『借りられる時に借りられるだけ借りる。』
○『返済分を一定期間ごとに借り替え・巻き直しで補い続ける。』
長期間に渡り、戦略的に資金調達と巻き直しを、さらには金融
機関対応を丁寧に行うことで、ある程度の業績が伴えば実現で
きます。
…次回につづく
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。