『攻めの財務戦略』 …行き当たりばったりの経営から脱却しましょう。
「財務戦略」とは、「資金の調達と運用」を「戦略的」に行う
ことです。利益を最大化するために、いつ、どこから資金を調
達して、どこに資金を費やせば良いかを戦略的に検討します。
中小企業は、さらに積極的な財務戦略が必要です。今月末の支
払が苦しい等、資金ニーズが発生してから資金調達を考えるの
ではなく、資金ニーズが発生することを予測して、もしくは資
金ニーズを自ら作り出して、資金調達を積極的に行うことが
「攻めの財務戦略」です。
◆財務戦略が無い場合・・・
・月末の資金が不足することが直前にならないと分かりません。
・「機械が壊れる」等の突発的な支出の対応に苦慮します。
・余裕資金が無いため、急なビジネスチャンスに対応できませ
ん。
行き当たりばったりの経営で有事への対応力が弱く、安定した
経営が難しい状況です。また、投資に対する効果という概念が
ないため、結果的に無駄遣いが多くなってしまいます。
◆保守的な財務戦略の場合・・・
・「新しいことは何もしない」という硬直化した企業体質に陥
ってしまいます。
・自社の事業の投資効果が薄れていても、気づかないまま事業
を継続してしまいます。
・視野が狭くなり新しいビジネスチャンスを見逃してしまいま
す。
比較的財務内容が良い企業でも、近年、10年安泰な事業はそ
れ程多くはありません。一定のリスクを冒して攻めなければ、
成長することはもちろん、生き残ることすら難しい時代です。
◆攻めの財務戦略の場合・・・
・資金調達を積極的に行い、キャッシュポジションを常に高く
維持しています。
・資金繰りが安定し、落ち着いて経営が出来ます。
・ビジネスチャンスがあれば、スピーディに対応できます。
・機械の買い替えなど、投資計画を立てて、計画的に資金を調
達します。
・自社の事業モデルの進化発展を、常に考えるようになります。
しっかりと計画を立て、先回りをして資金調達に動きます。資
金に余裕を持つことで経営の選択肢が広がります。
大企業でさえ、成長分野を探して資金を投下し、事業モデルを
変化させながら生き残りを図っています。大企業よりも資金調
達力に劣る中小企業は、大企業以上に攻めの財務戦略が必要で
はないでしょうか。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。