『生産性向上の取組みについて』 …生産性の向上により助成金額等の優遇措置が受けられます。
今後、労働力人口の減少が見込まれる中で経済成長を図ってい
くためには、個々の労働者が生み出す付加価値(生産性)を高
めていくことが不可欠です。
国も、企業における生産性向上の取組を支援する施策の1つと
して、企業が生産性を向上させた場合に、労働関係助成金の助
成金額又は助成率を割増する制度の適用を推進しています。
平成28年度には「キャリアアップ助成金」、「 受入れ人材育
成支援奨励金」、「業務改善助成金」についてこの制度が適用
されましたが、平成29年度には「キャリア形成促進助成金」
においても制度の適用が予定されています。
労働関係助成金における「生産性向上」の要件等について、概
要をみておきましょう。
■生産性要件
労働関係助成金においては、助成金を申請する事業所が、次の
要件を満たしている場合に、助成額や助成率が割増となります。
(1)助成金の支給申請等を行う直近の会計年度における「生
産性」が、3年前に比べて6%以上伸びていること。
※生産性の伸び率が6%を満たしていない場合でも、各助成金
が別に定める要件に合致する場合には「生産性要件」を満たす
ものとして扱われることもあります。
(2)「生産性要件」の算定の対象期間中に、事業主都合によ
る離職者がいないこと。
■計算方法
「生産性」は、(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動
産賃貸料+租税公課)÷雇用保険被保険者数で計算します。
具体的には、厚生労働省が作成した「生産性要件算定シート」
を利用して、損益計算書や総勘定元帳から、該当する勘定科目
の金額を転記することで算定できます。
「生産性要件算定シート」はこちらからご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/kyoutuu02_3.pdf
■その他
生産性の向上を図るために、従業員の職業能力開発や働き方改
革、業務の効率化を高める設備の導入等に具体的に取り組むこ
とも必要になります。
「生産性向上」は労働関係助成金だけでなく、税制優遇措置や
補助金の要件においても重要なキーワードになっています。
それぞれの制度の利用にあたって有効にご活用ください。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。