『専門家との付き合い方』 …専門家の使い方も重要な経営技術です。
企業経営は複雑で多岐にわたる課題を含み、成功するためには
幅広い専門性が必要です。そのため、多くの経営者は、専門家
の意見やアドバイスを受け入れることは大切であると認識して
います。しかし、時には経営者が専門家に過度に依存し、経営
判断までを託してしまうことがあります。社長が専門家に経営
判断を過度に委任することの問題点について考えます。
1. 経営者の責任感の低下
経営者が経営判断を専門家に完全に委任すると、経営者自身の
責任感が低下するリスクが生じます。責任を逃れるために「専
門家がそう言ったから」と言い訳をすることが容易になり、結
果的に経営者のリーダーシップや決断力が鈍化します。経営者
は自身の責任を果たし、ビジョンを明確に持つ必要があります。
2. ビジョンのずれ
専門家は特定の分野に精通していますが、その視点はしばしば
専門性に偏りがちです。経営者が経営判断を完全に委任すると、
専門家の視点によってビジョンが歪められる可能性があります。
経営者のビジョンと専門家のアドバイスをバランスよく統合す
ることが重要です。
3. 経営状況への深い理解の欠如
経営者は企業の日常的な運営や状況を深く理解しています。し
かし、経営判断を専門家に委任しすぎると、経営者自身が企業
の状況を把握する機会が減少します。これにより、経営者は企
業の現実に疎くなり、経営状況へのリアルな理解が欠如する可
能性があります。
4. 過度なコストと時間の浪費
専門家に経営判断を委任することは、高額なコンサルティング
料やアドバイザーの費用を伴います。また、専門家の意見を待
つために時間がかかることもあります。経営者が過度に専門家
に依存すると、財政的な浪費や競争力の低下が懸念されます。
5. 経営者の成長の妨げ
経営者は経験を積むことによって成長し、リーダーシップスキ
ルを向上させることができます。しかし、経営判断を専門家に
完全に委任すると、経営者の成長の機会が制限されます。自己
成長と学習は、持続的な成功のために不可欠です。
専門家のアドバイスや専門知識は、経営者にとって非常に価値
のあるものですが、それを過度に依存し、経営判断までを委任
することは慎重に考えましょう。経営者はビジョンを明確に持
ち、経営状況を理解し、専門家のアドバイスを適切に統合する
バランス感覚を持つことが成功への道です。専門家のサポート
はあくまで手段であり、経営者自身が責任を持ち、ビジョンを
実現する使命を果たすことが重要です。
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■お問い合わせ先
【 石田雄二税理士事務所 info@kaikeisanbo.com 】
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。