『経営者と借入』 …借入を論理的に考えて活用しましょう。
経営と借入は大変密接な関係です。借入にポジティブな印象を
持っている方は少ないと思いますが、経営者である以上、極端
にネガティブになるのもいけません。借入について論理的に考
え、上手に活用しましょう。
下記は借入にネガティブな経営者様からよくお聞きする話です。
一見正しいように聞こえますがそうでしょうか。
・借金はするなと親から教えられた。
・負債が多すぎて倒産した会社がある。
・自己資金だけで経営した方が安全性は高まる。
借金と言っても借入の目的でその性質は全く違います。遊ぶお
金を借りることは不健全ですが、事業を拡大するための事業性
の借入は健全です。親の教えはおそらく消費性の借入を指して
いると思います。
負債が倒産の原因とされることもよくありますが、負債が増え
ればその分現金も増えますので、負債の増加で倒産するという
のは正確ではありません。倒産の原因は負債の増加ではなく、
借入を上手に活用できなかったことです。投資の失敗が原因で
結果として負債が多く残ったというのが正確な表現です。
自己資金だけで経営した方が安全性は高まるというのは本当で
す。但し、「潤沢な自己資金」というのが正確な表現です。ギ
リギリの自己資金では、安全性が高まるどころか、非常に不安
定な経営を強いられます。自己資金が潤沢にないならば、まず
は借入で潤沢な資金を確保し、利益の蓄積とともに無借金に近
づけていくというのが流れです。
とは言え、事業性の借入であれば全てよいという訳ではありま
せん。注意が必要な事業性の借入もあります。
事業性の借入は大きく分けて3種類あります。ひとつは倒産を
防ぐために手元資金を潤沢にする目的の借入、二つ目は事業を
伸ばすための投資を目的とした借入、三つ目は赤字を補うため
の借入です。
倒産防止の借入は安全性を高める借入ですので、全ての企業が
積極的に活用してもよいと考えます。投資を目的とした借入は、
事業力に自信がある経営者ならば活用を検討してもよいと考え
ます。赤字を補う借入は、消費性の借入と同じく収益を生まな
い借入です。借りる前によく検討する必要があります。
弊所では借入に関するアドバイスを行っております。
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【 石田雄二税理士事務所 info@kaikeisanbo.com 】
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。