『金融機関との関係構築について』 …悪い情報も共有することで信頼関係が構築できます。
コロナ融資を受けたある関与先様から、「金融機関から試算表
の提出を求められたが、融資金の一部を個人的な支出に充てて
しまっているため提出したくない。断ることはできないか?」
というご質問がありました。
試算表の提出を拒んだからと言って融資金の一括返済を迫られ
ることはもちろんありませんが、金融機関の担当者はネガティ
ブに捉えることは間違いありません。
まずは、試算表の提出を依頼してきた金融機関の担当者に、試
算表が必要な理由を率直に聞いてみました。回答は「保証協会
に売上高の報告をするため」とのことでした。
よって、「試算表がまだ出来ていないため、売上高だけ集計し
て提出すればよいか」と確認するとそれでよいとのことです。
何かを調べたいのではなく、報告が必要なので単純に仕事とし
て依頼しているという感じでした。
仮に試算表の提出が必須という回答だった場合はどうするべき
でしょうか。原則的には、ありのままを提出し、個人的な支出
に流用しなくてはならない理由があったならそれを説明し、理
由がなければ真摯に反省の弁を述べ、決算までには個人的な支
出分を会社に戻す努力をすることをお約束するのが正解だと思
います。
試算表の提出(業績の報告)は金融機関との最良なコミュニケ
ーションの機会です。金融機関に対して負い目がある時は、試
算表の提出を依頼してきた担当者に対して、「そんなことに対
応している暇はない。」などと攻撃したり、不機嫌な態度をと
ったりする経営者もおられます。不安や保身から取ってしまう
行動だと思いますが何のプラスにもなりません。
金融機関に対しては悪いことは隠さなくてはならないとお考え
の経営者様も少なからずいらっしゃいますが、必ずしもそうで
はありません。良いことだけでなく、悪いことも報告して相談
することが関係構築の第一歩になります。
○金融機関対応に関するご相談は、銀行融資プランナー協会
正会員事務所にて承っております。お気軽にご相談ください。
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■お問い合わせ先
【 石田雄二税理士事務所 info@kaikeisanbo.com 】
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。