『重要な経営法則(その4)』 11.デミングサークルの徹底を…(エドワーズ・デミング) 12.雇用の安定のための人事における3つの最適化とは …(SP経営協会) 13.創業者が陥る4つの楽観主義とは …(SP経営協会) 14.銀行対応10のルールは…(銀行融資プランナー協会)
…前回からのつづきです。
中小零細企業におけるその経営の良し悪しは、そのほぼ100%
が経営者一人の力量によって決まります。また、その力量の一
つは知見の有無です。知っているか知らないかです。(別次元
で行動力の有無等がありますが、別の章に譲ります。)
経営者として知っておくべき知見は星の数ほどありますが、ほ
んの一部を紹介します。
■デミングサークルの徹底をお願いします。
(エドワーズ・デミング)
『PDCAサイクル(ピーディーシーエー、PDCA cycle、plan
-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管
理などの管理業務を円滑に進める手法の一つです。Plan(計画)
→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階を繰り
返すことによって、業務を継続的に改善する手法です。(品質
管理を構築したウォルター・シューハート、エドワーズ・デミ
ング(W. Edwards Deming)らが提唱)
1.Plan(計画)
…従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
2.Do(実施・実行)
…計画に沿って業務を行う。
3.Check(点検・評価)
…業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する。
4.Act(処置・改善)
…実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする。
この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCA
サイクルにつなげ、 螺旋を描くように1周ごとにサイクルを向
上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的に業務改善
することです。』(ウィキペディアより引用)
戦後日本に導入されたデミング賞(大賞)の初代受賞(1970年)
企業はトヨタ自動車です。「トヨタの車は、発売当初よりも、モ
デルチェンジ直前の方が、その品質が良い。」と言われますが、
当然です。
■雇用の安定のための人事における3つの最適化とは…
(SP経営協会)
人事業務で一番大切なことは、最適化です。すべてにおいて最適
化のポイントを求め続けることこそ人事担当者の仕事です。当面
は社長の仕事です。
最適化がなされておれば、人は概ね辞めません。採用もできます。
離職率が極端に高いのは、人が採用できないのは、最適化できて
いないからです。離職率が高いからレクリエーションを充実させ
る…間違えではありませんが、本筋ではありません。採用できな
いから上手なキャッチコピーを考える、採用媒体を見直す…間違
えではありませんが、本筋ではありません。
最適化とは…
1.従業員の市場価値と会社が支払う給与
2.会社が従業員に求める業務と会社が支払う給与
3.従業員の能力とその従業員に求める業務
の三つをバランスさせることです。人の採用・過度な離職でお悩
みの方はご一考ください。
■創業者が陥る4つの楽観主義とは…(SP経営協会)
4つの楽観主義を改めてください。
1.『計画通りに進む』との楽観主義!
◎正解は…計画通りには進捗しません。ほぼ遅れます。
2.『少ない費用で立ち上がる』との楽観主義!
◎正解は…計画の遅れは資金で埋めるしか方法がありません。
3.『資金が必要になればお金は借りられる』との楽観主義!
◎正解は…資金は必要なときに借りるのではなく、借りられ
るときに借りてください。
4.『安くしても売れればやって行ける』との楽観主義!
◎正解は…売上至上主義ではなく、利益至上主義で経営して
ください。
■銀行対応10のルールは…(銀行融資プランナー協会)
●ルール1;銀行交渉は、いかなる時も前向きに…
「日傘」しかないからです。
(※一部の制度融資・保証商品は除きます。)
●ルール2;『資金のダム』を作ってください。
『お金は、借りられる時に借りられるだけ借りておく。』
●ルール3;財務諸表、自己資本比率等々、
中小企業には(ほとんど)無関係です。
●ルール4;無借金経営は最終的な目標です。
●ルール5;運転資金は毎年借り直す。
●ルール6;取引銀行は、分相応が良い。
●ルール7;銀行とは信義に沿って付き合う。
●ルール8;銀行対応は、原則書面で対応する。
口頭対応のみではNGです。
●ルール9;創業時融資で最大限の調達を。
●ルール10;リスケも前向きに。
口頭ではNG、計画書が絶対に必要です。
創業者から中小零細企業までは、自社のルール(借り手の論理)
よりも金融機関のルール(貸し手の論理)に適合するしかありま
せん。また、金融機関は重要な取引先の一つと考えて対応するこ
とをお薦めします。決して損にはなりません。
…次回につづく
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。