『企業経営の成否を決める重要な3つの因子!』 …集中度合い・値決め・資金力
企業経営の成否を決める重要な因子が存在します。これらの因
子を認識して適正化を図ることこそ経営を上手に進めるコツで
す。
■3つの因子を提示します。
◆1:集中度合い
◆2:値決め
◆3:資金力
◆1:集中度合い
同じ戦力(企業力)で、二つのことに取り組むよりも、一つに
集中する方が強くなります。
○二つの分野に取り組めば、一つに掛けるエネルギーは半分よ
りはるかに小さくなります。
○100アイテムの製品を生産するよりも、99アイテムの方
が良い製品を効率的に生産できます。100対99は誤差で
あっても、100対95、100対90になると、その差が
顕在化します。
1分野のみで、単品のみで戦える企業は限られていますが、原
理原則論として、できるだけ少ない方がよい、この考え方を踏
まえてください。
⇒集中できている方が、少ない方が経営はうまく行きます。間
違えありません。一方、ほぼすべての企業様が、分散している、
多過ぎる状況になっています。故に、「絞り込みましょう。」
と提案しています。
※適正に「集中する」ことが成功の要因の一つです。また、分
散し過ぎるよりは集中し過ぎる方がベターです。
◆2:値決め
同じ労力を費やして作ったモノを、100で販売するのと、
110で販売するのとでは、さらに、200で販売するのとで
は、その経営成績に雲泥の差が生まれます。
○100ではなく103で、できれば110で、さらに130
で売れないか…価格はできるだけ高く設定してください。
○100を97に値引きすることの経営に与えるダメージは甚
大です。肝に銘じてください。
⇒100を103に変更できれば、仮に多少の販売個数減が有
っても、減収(売上減)にはなりにくいはずです。単価アップ
の増収(売上増)効果は絶大です。また、単価アップの増益
(利益増)効果はさらに絶大です。一方、100を97に変更
したときの減益(利益減)ダメージは甚大です。故に、「値上
げしてください。価格を高めに設定してください。」と提案し
ています。
※適正に「値決め」することが成功の要因の一つです。また、
安過ぎる値決めよりは高過ぎる方がベターです。
◆3:資金力
企業体の命は資金です。資金が枯渇した時にのみ、企業体はそ
の活動を停止します。ありとあらゆる策を講じて資金余力を持
ちましょう。
○中小企業のほとんどは過小資本です。借入れを最大限活用し
ましょう。
○金利を(過度に)気にせずに、借りられる時に借りられるだ
け借りましょう。
○利益を出して、自己資本を積み上げましょう。
⇒金融機関との継続的・戦略的なお付き合いを継続してくださ
い。最大限の現預金を持ち続けるための財務戦略を継続してく
ださい。創業当初から、その実績を積み上げてください。
※最大限「資金を持つ」、そのための「財務機能」を持つこと
が成功の要因の一つです。中小企業の多くが財務無策です。ご
認識ください。
■企業経営の成否を決める重要な因子が存在します。
経営者は常に自問自答してください。
◎分散せず集中できているか?
◎値決めは適正か?安売りしていないか?
◎資金余力は十分か?もっと資金余力を持てないか?財務機能
を持ち合わせているか?
様々な経営診断手法が存在します。ただ、それらの多くは結果
の分析であり、将来の結果を求めるものです。行動の指針に成
り得ていない分析手法も少なくありません。
一方、上記は行動の指針です。
◆1:集中度合い…絞って集中すること。
⇒Simpleに!
◆2:値決め…安売りしない、値上げすること。
⇒Profitableに!
◆3:資金力…できるだけ潤沢に資金を持つ、財務機能を持つ
こと。
⇒Ampleに!
これらの因子を認識して適正化を図ることこそ経営を上手に進
めるコツです。
この機会にご一考いただければ幸いです。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。