『キャッシュを稼ぐ力を強化する』 …キャッシュフローの良いビジネスモデルを構築しましょう。
選択したビジネスモデルによって、将来が大きく変わるのは当
然です。しかし、同じビジネスモデルであっても、選択する取
引条件が違えば同様に将来は変わります。
月額3万円程度の利用料を売上高とするA社とB社があります。
A社は普通に契約月から毎月3万円の利用料を徴収しています
が、B社は当初6か月分の利用料を一括で徴収しています。
A社は毎月5件程度の新規契約を獲得していますが、損益分岐
点売上高に達するまでには長期間を有しますので、資金繰りは
非常に厳しい状況です。また、現状の業績では金融機関を頼る
こともできません。
一方B社も、A社同様当初は毎月5件程度の新規契約でしたが、
初月から100万円程度の収入がありましたので、すぐに営業
マンを増員し、今では月商1,000万円に迫る勢いです。A
社とB社は類似したビジネスモデルですが、取引条件の違いで
結果は大きく違っています。
ソフトウェアの受託開発をしているA社と、ソフトウェアをパ
ッケージ化して販売しているB社があります。A社の開発期間
は数か月に及びますが、代金を全額回収できるのは開発が完了
した後です。一方のB社はソフトウェアを商品化しているため、
販売した翌月には代金を回収することができます。
A社は開発期間の人件費を確保するため、いつも資金繰りに奔
走しています。また、売上高を増やそうと思っても、さらに多
くの人件費が必要になるため、思うように売上高を増やすこと
もできません。一方のB社は、パッケージ商品の販売ですので、
資金を気にすることなく売上を増やすことができます。そして
稼いだ資金を次の開発に投資しています。
潤沢な自己資金を有している中小零細企業は少なく、また、借
入にも限度があります。よって自力でキャッシュをどれだけ稼
げるかどうかが成否を大きく左右します。もちろん利益も重要
ですが、いくら利益率の高いビジネスモデルであっても、売上
代金を回収するまでの期間が長ければ、事業の継続は困難です。
・売上代金をもっと早く回収できる方法はないか?
・支払をもっと遅らせる方法はないか?
・在庫の回転期間をもっと短くできる方法はないか?
キャッシュを稼ぐ力を強化するため、今一度考えてみてはいか
がでしょうか。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。