『経営体が患う5大疾病の5つ目【お人好し症候群】という 疾病の正体は…(その5)』 …判断が緩く、マネージメントが甘くなる病です。
貴社の経営は、本当はもっともっとうまく行くはずです。貴社
の経営にブレーキをかけている何か(疾病)があるはずです。
それらを見つけ出して、このブレーキ(疾病)の治療・予防の
方針を学ぶ事ができれば、明日からの経営が激変するはずです。
経営がうまく行かない理由…企業が患う5大疾病について言及
いたします。
■病名5:【お人好し症候群】という病は…
創業者~中小企業までの経営者は、社長でありかつ現場のリー
ダーです。大企業の社長とは違います。その指示・命令は、概
念的な「フワッとした」曖昧な内容ではなく、明瞭でなければ
なりません。指示の曖昧な社長は少なくありません。また、頼
まれ事に「NO」と言えない(断ることができない。)社長も
少なくありません。さらに、従業員に嫌われたくないとの思い
からか、その距離を詰め過ぎる社長、嫌ごとや厳しい事を言え
ない社長も少なくありません。
この様なトップの率いる経営体は、組織自体がすべてにおいて
緩く・甘くなっています。
■この様な、緩い・甘い経営体を『お人好し症候群』と呼びます。
【お人好し症候群】の経営体の経営者は、以下のような状況です。
1.自分の判断は、どちらかというと甘いと思う。
2.自分の判断は、どちらかというと曖昧だと思う。
3.自分はNOと言いにくい性格だ。
4.自分は自分に甘いようだ。
5.自分は従業員に甘いようだ。
6.従業員は他の従業員に甘いようだ。
7.自分はお人好しだと思う。
いかがでしょうか?
■病名:『お人好し症候群』を整理します。
○判断が総じて甘く・緩くなる病です。
○原因
胆力の欠落と人の好さが原因です。胆力は長期間、長時間は継
続できません。また、人の好さが災いして、嫌なことを先送り
しがちです。胆力の維持できる範囲内で判断する、嫌なこと、
厳しいことを臆さずはっきり口に出す、これを意識しないと、
甘い・緩い経営になってしまいます。
○症状
すべてが緩慢になっています。仲良し倶楽部になっています。
早期の治療が必要です。
※企業経営はぴりぴりと張り詰める緊張感の中で行うものです。
一つ一つの判断が生死を分け、どちらかというと楽しいことよ
り嫌なこと、厳しいことが多いはずです。
■『お人好し症候群』への対応は…
人の好さは、会社に『甘さ』『緩さ』を蔓延させ、会社を破滅
に導きます。心に一匹の鬼を持って経営判断を行ってください。
厳しいことを臆さずはっきり口に出す、NOならNOとはっき
り言える経営者であってください。また、数値管理を最小単位
まで落とし込んでください。数値を判断基準にすると、曖昧さ
は減少します。
○対策
経営判断を明確(Clearly)にしてください。
1.経営判断に『甘さ』『ゆるさ』を持ち込まないでください。
2.NOといえる経営者になってください。
3.数値(目標、結果)管理を最小単位で徹底してください。
■経営体は大きく5つの疾病を患っていると思っています。
その有病率は決して低くありません。
◆病名1:分散症候群 …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:財務無策症候群…有病率70%
◆病名4:前のめり症候群…有病率40%
◆病名5:お人好し症候群…有病率60%
◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。
【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:手持ち資金を潤沢(Ample)に維持すること。
◆第4条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体を
維持すること。
◆第5条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。