『ビジネスモデル俯瞰図の検証!(その17)』
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『ビジネスモデル俯瞰図の検証!(その17)』
…中期経営計画を疑ってみる!今の計画は、『今の延長線上
ならこうなるとのシミュレーション』に過ぎない!
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前回号の続きです。
〔※ビジネスモデル俯瞰図とは、ビジネス全体の構造や流れを
把握し、事業の構造や事業の特徴、損益構造などをわかりやす
く整理した図表のことを指します。〕
事業全体の活性化や事業立地の付加・転換など、事業自体をそ
の本質から見直そうとするときは、ビジネスの全体像を現した
ビジネスモデル俯瞰図を作ってみるとわかりやすいです。
ビジネスモデル俯瞰図を使って、事業の活性化を図りたいとき
の着眼点を整理いたします。
■着眼点23:中期経営計画を疑ってみる!
●未来は予見できない、これは紛れもない事実です。自社の具
体的な未来予想図は描けません。それでいいのです。
であるにも関わらず、現時点を基準にした高精度な将来計画を
作り、その計画に過度に執着することは、これから起こり得る
イノベーションの芽を摘んでしまいかねません。
事業全体の活性化や事業立地の付加・転換など、事業自体をそ
の本質から見直そうとするときは、今手元にある中期経営計画
を疑ってみることも重要です。
●多くの成功者が語る過去からの成功談はすべて後付けです。
1.人は、その未来を予見することはできません。変数が多す
ぎるからです。
2.人は、過去を整理することは得意です。寄り道部分を除い
て単純化して話します。
3.故に、(多くの成功者は)あたかも計画通り進んで来たか
のように見えます。
4.事実はそうではなく、あまたの寄り道・失敗を経て今があ
ります。
高精度に未来を予見しようとする行為は百害あって一利なしで
す。未来につながるレールは存在しません。
●中期経営計画を鵜呑みにしてはいけません。
3年後、5年後、10年後の自社の姿なんて『わかるはずない!
わからなくていい!いや、決めつけてはいけない!』と考えて
みてはいかがですか。
5か年経営計画の意味は、『今の延長線上ならこうなるとのシ
ミュレーションに過ぎない』との認識が必要です。
これを経営計画と錯覚してしまうとイノベーションは起きませ
ん。5か年経営計画と呼ばず、【現状の延長時の5か年シミュ
レーション】と呼ぶべきではないでしょうか。
※【現状の延長時の5か年シミュレーション】には相応の存在
意義があります。
●中期経営計画の位置付けは…
◆既存事業の部分は『現状の延長時の5か年シミュレーション』
と定義して、正確な執行を心掛けましょう。
◆新規事業の部分は『想像力を働かせながら、加減しながら取
り組むこと』と定義して、柔軟に進捗させましょう。
新規事業の部分を計画に落とし込んで・決め込んでその計画通
りに執行すると、投資が先行(経費が先行)して危機を招くこ
とになりかねません。
◎以下の決意で経営してください。
未来は予見できない!未来を決め込まず、想像力を働かせなが
ら今を必死に生きる!
・高校生の進路指導で、『あなたは将来何になりたい?』
・新卒の入社試験で、『あなたは当社でどんなことを実現したい?』
こんな愚問を投げるのは止めましょう。当時自分が何を考えて
いたかを思い起こして考えてみましょう。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。