『創業時に陥りやすい6つの財務無策(実例)と4つの楽観主義!』 …創業に関する手続き・資金調達・計画立案についても、 当事務所にご相談ください。
その事業が将来立ち上がるかどうか?こんなことはだれにもわ
かりません。それでも論理と蓋然性から、高い確率で重要な問
題点を指摘して助言することは出来ます。
(※この確率にあてはまらない天才事業家は除外する前提で読
んでください。)
■以下は、創業時に陥りやすい間違え、財務無策の実例です。
◆1:創業1期目が赤字、2期目に追加の資金調達(融資)を
目論む計画
創業1期目が赤字の時、2期目の資金調達は容易ではありませ
ん。創業時の自己資金と創業融資で、黒字化まで自力で持って
いかないと、次の融資はほぼ受けられません。計画の見直しが
必要です。(財務無策です。)
◆2:創業自己資金300万円で初年度の資金調達金額
3,000万円とする計画
計画自体が無謀に見えます。創業時に、こんな多額な融資はほ
ぼ受けられません。計画の見直しが必要です。(財務無策です。)
◆3:創業自己資金50万円の会社が、創業1期と2期で累計
6,000万円の赤字を出す計画
どんなに経歴や計画書が立派であっても、この計画を支持する
金融機関はありません。そもそも力不相応な計画に見えます。
計画の見直しが必要です。(財務無策です。)
◆4:創業三ヵ年計画の資金繰りの辻褄が合っていない計画
資金繰り計画書を作ったら資金ショートします。資金繰り計画
を持ち合わせていないので、矛盾に気づいていません。計画の
見直しが必要です。(財務無策です。)
◆5:創業三ヵ年計画に、創業融資の返済原資を見出せない計画
返済を賄う利益を計画段階から計上できていません。返済原資
の無い融資を金融機関は行いません。計画の見直しが必要です。
(財務無策です。)
◆6:創業自己資金300万円、資金的にはぎりぎりの計画で
すが、創業融資をとりあえず受けない計画
「とりあえず自己資金でやってみて、必要になれば融資を受け
たい。」この考え方は根本から間違えています。行き詰まった
時に融資を受けられる可能性は高くありません。最初に創業融
資を受けるべきです。(財務無策です。)
■併せて、創業時に陥りがちな楽観主義について言及いたします。
◆1.『計画通りに進む』との楽観主義!
○10期目の会社が立てた11期目の計画、概ね計画通りに進
捗するでしょう。
○3期目の会社が立てた4期目の計画、計画の見積もりには不
安が残ります。
○創業時に立案した1期目の計画、過度に保守的に見積もらな
い限り当たりません。
計画通りに事業は進まないのです。これが実態です。それでも
計画は目安として必要です。目安を立てて、ずれを確認しなが
ら事業を運営するために必要です。
◆2.『少ない費用で立ち上がる』との楽観主義!
計画通りに進捗しなかったとき、それを解決するのは時間です。
当初立てた仮説を修正しながら試行錯誤を繰り返します。事業
自体が的外れでなければ、時間を要しながらも着地します。計
画に対して余分に費やした時間を埋められるのは資金・お金し
かありません。資金不足で頓挫する、これは時間を稼ぐ資金を
確保できないとの意味です。
◆3.『資金が必要になればお金は借りられる』との楽観主義!
計画通りに進まずに、時間が必要、時間を確保するための資金
が必要になった折に、金融機関に駆け込んで、資金を求めよう
とします。これは原則間違えです。難解です。
計画が遅れた、時間を掛ければ軌道に乗る、この蓋然性の説明
は容易ではありません。金融機関は原則、足元の進捗・実績を
基準に、将来生み出すキャッシュフローを勘案して融資の可否
を判断します。
(金融機関が有するのは「日傘」であって「雨傘」ではありま
せん。)
◎どうすればよいか…計画をしっかり立案します。一方で、そ
の計画を鵜呑みにせずに計画が遅れることを想定して資金を最
大限調達し続けること、これが正解です。
◆4.『安くしても売れればやって行ける』との楽観主義!
「とにかく売れさえすれば何とかなる」、このように考える社
長様も少なくありません。「売れなければ何ともならない・始
まらない」は正解ですが、「とにかく売れさえすれば何とかな
る」は正しくありません。
一定額以上売れた時には一定以上の利益を捻出できる値決め・
価格設定は経営上極めて重要です。手間暇をしっかり掛けて、
よくよく考えて、シミュレーションをしっかり行って、腫物に
触るように慎重に決めてください。とにかく値決めに対しては
全身全霊を注いでください。
◎どうすればよいか…安売りは絶対にしない、価格を売るため
の道具に使わない、安売りでしか勝負できない事業なら、事業
自体を再考してください。
知って、学んで備えてください。創業に関する手続き・資金調
達・計画立案についても、当事務所にご相談ください。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。