『最先端のビジネスモデルはプラットフォーム型です。』 …受注型、プロダクト型、ストアー型、プラットフォーム型の 検証!
■事業体の収益や拡張性は、事業立地(誰に何を売るのか?)
とビジネスモデルで大半が決まります。マネージメントやマー
ケティングの上手下手は、それらの下位の概念です。マネージ
メントやマーケティングを考える前に、事業立地(誰に何を売
るのか?)やビジネスモデルに着眼してください。
時間が経過するほど、事業立地(誰に何を売るのか?)とビジ
ネスモデルの差が顕在化します。
お尋ねします。貴社は1.受注型ですか、2.プロダクト型で
すか、3.ストアー型ですか、4.プラットフォーム型を狙っ
ていますか?
◆1.受注型とは、建設業などの請負業、下請けと呼ばれる製
造業、個別事案ごとに対応するコンサルタント業等、顧客の要
望を受けて個別に製品やサービスを提供するビジネスの型です。
突出した技術やスキル、または対応能力(キャパシティー)を
有している企業は、価格競争に巻き込まれにくく、大きな収益
を上げています。
一方、顧客ごとの対応が必要になり、ビジネスとしての定型化
が難しい、また、売上が発注先の意向に左右されやすいために、
ビジネスとしての拡張性に難があるといわれています。突出し
た技術やスキル、または対応能力(キャパシティー)を有して
いる企業以外は、発注元の意向に沿った納期・価格が設定され
てしまい、価格主導権を握れません。ボリュームの大きい(単
価の高い)建設業等を除いては、BIGカンパニーになりにく
いビジネスモデルです。
◆2.プロダクト型とは、自らのサービスを商品化・定型化し
て、顧客に採用(購入)の可否を選択してもらうビジネス形態
です。もちろん、提供する商品やサービスが選ばれるに値する
価値を有していなければなりません。故に、徹底的に磨き込ま
れた強い商品・サービスでなければなりません。一点特化・絞
り込みが必要です。
徹底的に磨き込まれた強い商品・サービスを自らの意志で開発
し販売するこの型は、経営が効率的で、収益性と拡張性を担保
できます。何より、価格主導権を自社が握ることになります。
(今までの)エクセレント企業の多くは、(配下に多くの受注
型企業を抱えた)このビジネスモデルです。
◎一般論として、事業体は受注型からプロダクト型に進化して
いきます。受注生産から自社ブランドの製品開発・販売への移
行は正統派の戦略です。受注型の建売建設業から自社ブランド
のハウスメーカーへの移行例は多くみられます。個別対応のコ
ンサルタント会社は、ノウハウを商品化してプロダクト型に移
行します。
◆3.ストアー型とは、プロダクト型の横への拡張型を指しま
す。プロダクトで成功した事業体は、規模の拡大のために、総
じて横展開を始めます。力があれば、その業容を拡大できます
が、力が無ければ、あれも、これも…総花的で、弱い商品・サ
ービスの集合体になり下がります。分散症候群を患います。商
品・サービスの品ぞろえは、自社の実力との兼ね合い、力相応
でなければなりません。総じて力以上に幅を広げすぎるケース
が多いように感じます。規模の拡大と共に、収益力の低下が懸
念されるビジネスモデルです。
◎多くの中小企業は、事業の拡大を狙ってプロダクト型からス
トアー型に移行する時に、その商品やサービスの幅を広げます。
しかし、その幅の拡大が売上の増大に比して大きいため、その
生産性を著しく引き下げる結果を招きます。繁盛貧乏に陥りま
す。そして、この状態で停滞しています。『選択と集中』とは、
ストアー型をプロダクト型に戻すことです。プロダクト型の企
業は、ストアー型に移行せず、プラットフォームの構築を狙う
べきとの持論を持っています。
◆4.プラットフォーム型とは、『関連事業者や顧客が集まる
「場」を自社が創る』モデルです。精鋭の経営者は、このプラ
ットフォーム型を狙っています。フェイスブック、楽天、アマ
ゾン、アップル…すべてプラットフォーム型です。
容易ではありませんが、自社が狙う極めてニッチな分野に限定
すれば、実現できる可能性はあります。狙ってみましょう。
◆5.さらに付け加えるなら、プラットフォームを構築できた
精鋭企業は、このプラットフォームを活用して金融事業をはじ
めます。大きな収益を稼ぎ出しています。最後は金融事業です。
◎受注型はプロダクト型へ、ストアー型もプロダクト型へ、プ
ロダクト型はプラットフォームの構築を狙ってください。
■事業立地を見直して、かつ、ビジネスの型を転換する!
事業の立地、立ち位置をよく確認してください。
一歩隣を掘ってみませんか。
(僭越ながら)当事務所は、税務を担う「税理士」事務所に対
して、税務+財務を担う「新・税理士」業務を営んでいます。
「税理士」事務所は星の数ほどありますが、「新・税理士」は
極小です。これが事業立地の見直し、ポジショニングチェンジ
です。貴社にも応用できるはずです。
受注型の企業は、高付加価値、アッパーニッチの自社商品・サ
ービスを開発してプロダクト型企業に転身してください。収益
力と規模の拡大の両方を手中に収めることができるかもしれま
せん。ストアー型の企業は、絞り込んで(Simple化)プロダク
ト型企業に戻してください。分散を是正することで会社が劇的
に変わります。その上で、プラットフォームの構築を目指して
ください。
■経営者の仕事は、事業立地とビジネスモデルの検証・構築以
外にありません。
経営者の仕事は何?あれもこれも…たくさんありますが、重要
度で下位から消去して最後に残るのは、「事業立地とビジネス
モデルの検証・構築」です。であるにも関わらず、大半の経営
者はこれらの仕事をぞんざいにしています。創業時に考えたビ
ジネスモデルや、親から受け継いだビジネスモデルを進化・発
展させることなくただただ継続しています。ビジネスモデルは
時間と共に風化し、当然企業体も寿命を終えることになります。
最後にもう一度申し上げますが、経営にとって最も大切なのは
「事業立地とビジネスモデルの検証・構築」です。是非この機
会に仕事の優先順位を変えてください。「事業立地とビジネス
モデル」を少し変更することで、会社全体の生産性が2倍にな
るかも知れません。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。